
「ラリーなんて、どうせ選ばれた人間だけの世界だろ?」
なんて思ってないか? ちょっと前まで、俺もそうだった。 だけどな、ひょんなことから北海道で開催される「XCRスプリントカップ ラリーカムイ」ってガチのレースに出ることになっちまったんだ。
正直、去年も同じラリーに出たんだけど、結果は散々。 日本に来たばかりのノーマル同然の三菱トライトンで、アジアのラリーを走った勢いだけで乗り込んだら、まあ見事にコテンパンにやられたわけだ。 クルーズコントロールすら生きてるようなドノーマル車で戦おうなんて、今思えば無謀以外の何物でもなかったな。
「今年こそは!」ってことで、今回は三菱さんにも技術協力してもらって、マシンを大幅にパワーアップ。衝突被害軽減ブレーキみたいな、ラリーにゃ余計な安全機能もカットできるようになった。これで言い訳はできねえ。決戦の舞台は整ったんだ。
決戦前夜、それぞれのマシンとドライバーの想い
レース前日。 コースの下見走行、通称「レッキ」を終えたピットは、独特の緊張感に包まれていた。 明日からの本番を前に、各チームが最後の調整に追われている。
俺たちの相棒は、去年と同じピンクの三菱トライトン、通称「モモトン」。 でも、中身は別物だ。 特に足回り。 春スプリングさんがフロントのバネレートを見直してくれて、車のバランスが劇的に良くなった。 レッキで軽く試しただけでも、その違いは明らか。
あとは減衰力やブレーキパッドの細かいセッティングを煮詰めて、明日に備えるだけだ。
周りを見渡せば、ライバルたちも気合十分。 注目は、なんといっても日本で初めて競技に出るっていうランドクルーザー250のチーム。 ドライバーの三浦選手は「まだ分からないことだらけだけど、この車の楽しさを伝えたい」と意気込んでいた。
ランクルファンはもちろん、まだこの車のポテンシャルを知らない連中にも、度肝を抜く走りを見せてくれるに違いない。
そして、ベテランの藤野選手は、俺たちと同じオープンカントリーRTを履いて余裕の表情。 去年の冬はスタッドレスだったから、夏タイヤで思いっきり走れるのが楽しみで仕方ないって感じだ。 「まずはシリーズチャンピオンシップを守るために、きっちり完走する」と冷静だけど、その目には闘志がみなぎっていたな。
他にも、PHEVのエクリプスクロスで参戦するチームや、ジムニーで果敢に攻める女性ドライバー、去年クラス優勝したチームなど、多種多様なマシンとドライバーがこのカムイに集結している。 みんな、それぞれの想いを胸に、静かに闘志を燃やしているんだ。
運命のタイヤ選び!オープンカントリーRTがヤバすぎた件
今回のラリーで、俺が一番注目していたのがタイヤだ。 俺たちが選んだのは、東洋タイヤの新作「オープンカントリーRT トレイル」。 なんでも、アメリカの過酷なレース「BAJA」でものすごく評判が良かったらしい。
レッキで乗ってみた感想は、「とにかく向きが変わりやすい」。 ステアリングを切ったときの反応が良くて、巨体のトライトンを意のままに操れる感覚がある。 これは大きな武器になるはずだ。
ライバルたちもタイヤ選びには余念がない。 エクリプスクロスのチームは、あえてタイヤサイズを少し小さくして、ライトトラック用の剛性が高いモデルを選択していた。 車重が2トン近くあるPHEVマシンを、タイヤの剛性でねじ伏せてコーナリング性能を上げるって戦略だ。
空気圧もレッキでミリ単位で調整して、ベストな状態を見つけたと自信満々だった。
一方、去年AT3でクラス優勝した奈良選手のチームは、今回も同じAT3で勝負する。 面白い話を聞いたんだが、レッキ中にどうもマシンのトラクションがおかしいと感じていたらしい。 ペースを上げると滑るような感覚。
ピットに戻って確認したら、なんと整備不良で四駆に入っておらず、二駆状態で走っていたっていうんだ。 でも、「二駆なのに、四駆みたいなトラクションを感じる瞬間があった。 これはタイヤの性能がヤバい証拠だ」と、逆に伸びしろしか感じてないと笑っていた。
これが本番で四駆になったらどうなるか、末恐ろしいぜ。
そして、俺のチームのメカニック兼ドライバーの相棒も、テスト走行での感触に驚きを隠せない様子だった。
「テストの時は完全なウェットだったけど、それでもグリップが半端なかった。今回、レッキの午前中は少し雨が残ってたけど、コーナーをいくつか試した感じだと…めちゃくちゃ良い。特に、三菱さんが手を入れてくれたおかげで、シフトの制御が神がかってる。
もうDレンジに入れっぱなしで、パドルシフトなんていらないくらいスムーズに変速してくれるから、変速のストレスがまったくない」
サスペンションもブレーキも格段に進化し、まさに「戦えるマシン」になった。 去年とはレベルが違う。 あとは俺の腕次第ってわけだ。
波乱のDAY1!泥と汗と涙のガチバトルが始まった
迎えた本番、DAY1。 ホテルにエアコンがなくて寝不足気味だったが、そんなことも言ってられない。 快晴の空の下、いよいよラリーがスタートした。
最初のSS(スペシャルステージ)から、俺は現実を突きつけられた。 テストやレッキとは全く違う。 アドレナリンが全開になるし、「負けたくない」っていう本能がむき出しになる。 路面も、他の車が走った後だからどんどん掘れてきて、レッキの時とは全然違う顔を見せるんだ。
「あれ、ここが欲しい」「この動きは想定してなかった」
次から次へと課題が出てくる。 これが、相棒が言っていた「実践テスト」ってやつか。 乗りやすさはあるものの、トップを走る藤野選手とのタイム差は、じりじりと開いていく。 前半を終えた時点で、その差は約20秒。 ワンチャンなくはないが、このままじゃジリ貧だ。
コ・ドライバーの相棒も、ペースノートの読み上げが少し早すぎて、俺に迷惑をかけちまったと反省していた。 でも、二人でコミュニケーションを取りながら走るっていうラリーの基本はできている。 そこは心配ない。 むしろ、「ランクル250はもっと速いんじゃないの?」っていう周りからの厳しい声が、俺たちをさらに進化させてくれるはずだ。
遠慮なく言ってほしいぜ。
午後の部、地獄の再走!パンクで全てが終わったと思った瞬間
午後の部は、午前中と同じコースをもう一度走る。 普通に考えれば、コースを覚えてるから走りやすいはずだ。 でも、ラリーはそんなに甘くない。 何十台ものラリーカーが走った後のコースは、ズタズタに荒れ果てていた。
俺は午前中よりもアクセルを踏み込んだ。 少しでもタイムを縮めるために。 だが、それが裏目に出た。 SSの3本目、コーナーを2つ抜けたところで、リアに「ズルッ」という嫌な感触。
「あ、これパンクだわ」
瞬間的にそう思った。 SSのコースはめちゃくちゃ狭い。 ここで止まってタイヤ交換なんてしてたら、大幅なタイムロスどころか、後続車にも迷惑をかける。 俺はコ・ドライバーに「このまま行く!」と叫び、そこから約7kmの道のりをパンクしたまま走り続けた。
最後の方は、タイヤがホイールから外れかけ、ズタボロの状態でゴールに滑り込んだ。 正直、もうダメかと思った。 でも、ラッキーだったのは、東洋タイヤが最後までビード落ちしなかったことだ。 ホイールから完全に外れていたら、車体が暴れて大クラッシュしていたかもしれない。
タイヤの頑丈さに、マジで命を救われた。
結局、このSSで大きくタイムをロス。 藤野選手との差は、絶望的な26秒にまで開いてしまった。
DAY1終了。 勝者と敗者、そして明日への誓い。
DAY1を終えて、ピットの雰囲気は様々だ。
暫定トップで終えた藤野選手チームは、余裕の表情。 2回目の走行で路面が悪化したにもかかわらず、ドライバーもコ・ドライバーも車に慣れてきて、逆にタイムを上げていた。 「明日もこの調子で」と、勝利を確信しているようだった。
3位につけたエクリプスクロスのチームは、「LTタイヤのグリップのおかげ。 ブレーキもめちゃくちゃ効くようになった」とタイヤの性能を絶賛していた。 ただ、その分ブレーキパッドへの負荷が大きくて、明日は様子を見ながらの走行になりそうだと言っていたな。
そして、俺たちのピットは重い空気に包まれていた。 藤野選手につけられた26秒というタイム差。 敗因は明確だ。 午後の路面悪化に対応できなかった俺のドライビング、そしてパンクという不運。
相棒の奈良選手は、悔しさを隠さずにこう言った。
「前半は藤野さんに16秒も勝ってたのに、後半で一気にぶち抜かれた。路面状況が全く違った。最後のSSでは、地面に埋まってた冷蔵庫みたいな岩にヒットして大ジャンプ。危うく横転するところだった。パンクした状態で4kmも走ったけど、東洋タイヤはビード落ちしなかった。
あれがなかったら、完走すらできなかっただろう。本当に感謝しかない」
そして、彼は俺たちが履いているRTタイヤをじっと見つめて言った。
「やっぱり、オフロードでのブロック剛性はRTの方が上だ。俺たちが履いてるAT3はオンロードもいける万能型だけど、ガチのグラベルじゃ分が悪い。次のラリーでは、絶対にRTを履いて藤野さんをぶち抜いてやる」
まだレースは終わってないのに、もう次の話かよ。 でも、その気持ち、痛いほどわかる。 この悔しさは、次の勝利でしか晴らせない。
俺はというと、とにかく悔しかった。 プロの壁は厚かった。 でも、同時に羨ましくもあった。 藤野選手は、どんな状況でもマシンにトラブルを起こさせない。 そして、何よりドライバー自身が疲れていないように見える。
「疲れないように運転するんだよ」と涼しい顔で言うんだから、もう次元が違う。 俺なんて、息も絶え絶えで、いっぱいいっぱいだったっていうのに。
ラリーカムイのDAY1は、こうして幕を閉じた。 結果は完敗だ。 でも、失ったものばかりじゃない。
実践という最高のテストの場で、自分たちのマシンの課題、そしてドライバーとしての俺の課題がはっきりと見えた。 何より、最高の相棒、そしてライバルたちと本気でぶつかり合えたこの経験は、何物にも代えがたい財産だ。
「ラリーなんて自分には関係ない」?
そんなことはない。 一歩踏み出せば、そこには想像を絶する興奮と、とんでもないドラマが待っている。 このブログを読んで、少しでも心が動いたなら、まずは近くのグラベルを探しに行ってみないか? OPEN COUNTRYを履けば、いつもの道が最高のステージに変わるはずだぜ。
俺たちの戦いは、まだ始まったばかりだ。 明日、この26秒差をひっくり返してやる。 見てろよ。
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